セラード保護地域とは、どこにあるのでしょうか?また、そこで見られる土の塔は何なのか、いつから世界遺産に登録されているのかについてまとめました。
セラード保護地域とは
セラードとは、アマゾン低地熱帯林南部に広がる草原地帯のことを言います。この“セラード”が広がるブラジル高原中央部にある2つの公園、
- ヴェアデイロス平原国立公園
- エマス国立公園
この2つはセラード保護地域として世界遺産になっています。
セラード保護地域にある土の塔はなに?
ブラジルのセラード保護地域、エマス国立公園には、2500万本もの土の塔が並んでいます。まるでトンガリ帽子のような天然の土の塔が、大草原に乱立しているのです。
この正体は、アリ塚だというのですから、驚きです。
大小さまざまな大きさのアリ塚が並んでいますが、大きいものだと高さ2m、最大で3mにもなるそうです。
こんな大きな塔を、あの小さなシロアリが作るなんて信じられません。
もちろん、1匹や2匹で作るわけではありません。
アリの巣をつくる過程で、植物や土を細かく砕いて入口付近に運び出します。この時、その植物や土が転がって中に戻ってこないように堆積の1番上まで登って捨てます。
その完成系がアリ塚なのです。
要する期間は4~5年。100万匹~200万匹もの力で作られるのです。
雨で穴が開いても、土を運んですぐに修復。そうして土の塊のようなアリ塚ができていくのです。
この、土の塊、いや、土の塊にしか見えないアリ塚が、夜になると光る時があるのですから驚くべきことであり、神秘的です。
アリ塚の外面に穴を掘ってヒカリコメツキムシが住んでいます。その幼虫は光を放ってエサのシロアリを引き寄せ、捕食して食べるのです。
この現象が見られるのは雨季の初めの1か月間だけ。しかも、その日の気象条件によっては光らないのですから本当に神秘的な現象ですね。(光るのは、雨がやみ、風がない時だそうです)
また、シロアリにとって脅威はアリクイ。エマスには野生のアリクイがいて、固いアリ塚も鋭いかぎ爪で壊してしまい、細い舌でシロアリをなめとるのです。まさに天敵ですね。
セラード保護地域 世界遺産はいつから?
セラード保護地域が世界遺産に登録されたのは2001年のことです。登録名は「セラード保護地域:ヴェアデイロス平原国立公園とエマス国立公園」
登録基準の一つが、「絶滅の恐れのある種の生息地」。タテガミオオカミ、カピバラ、レアがそれにあたります。
登録されてから約20年。何とか絶滅危惧種にあたる動植物の保護のため、私たちができることは何か…その意識を持ち続けたいものですね。
2020年4月19日放送のTBS「世界遺産」でセラード保護地域が紹介されます。
まとめ
セラード保護地域にある土の塊。
ただの土の塊と思いきや、その正体はアリ塚。しかも夜に光る時がある・・・
実際に見ることはなかなかできないだけに、せめてテレビの映像を通して、その神秘性を感じたいですね。
次回、セラード保護地区の次は、ペトラ遺跡です。
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